自毛植毛の重要性を確認
江戸時代の儒学者、貝原益軒は八十四歳のときに『養生訓」を書いたそうだが、その年齢まで、すべての歯がそろっていたという。
生来病弱だった益軒が、健康を守るために歯や口をとても大切にした様子が記されており、健康の真髄とは何かを考えると、興私は長年の大学病院での経験から、病を克服し無事に退院できる患者と、手を尽くしても薬石効なく残念な結果に終わる患者との間には、それぞれ何か傾向があるような気がしていた。
それは自分の歯で十分に食べ物を噛むことができるか否かではないかと考える。
歯が良くて、出される料理をしっかり食べられる人は体力の回復が早いのである。
食事を楽しめないのは、悲しいものだ。
食は人生に大きな喜びを与えてくれる。
健康な歯が最高なのは言うまでもないが、それにかわるものとしては、今のところインプラントが最良の選択であろう。
自分の歯と同じに使えるからだ。
病気になって入院してみるとインプラントのありがたさを実感するのではないだろうか。
大口先生とは、名古屋市立大学医学部大学院からの長いお付き合いである。
歯科臨床医として、彼のもとを訪れる患者の歯科疾患や顎関節症、それに歯列不正と闘っておられる。
彼は、信頼できるインプラント技術をもった第一人者の歯科医として、地元でも高く評価されている。
さらに最近、世界で初めての新しいインプラント手術法である大口式インプラントテクニックを開発された。
最も安心安全な、人にやさしい「ドリルを使わない革命的な新手術法」は、歯を失い食べることに不自由をしている人々や、クオリティー・オブ・ライフを求める人々に必ずや貢献できるものと確信している。
最後に、この本ほどインプラントのことが詳しく分かりやすく書かれている本をいまだかつて読んだことがないことを、付け加えておきたい。
一人でも多くの方々に読んでいただきたいものである。
インプラントについてはまだまだ馴染みが少なく、そんなときに正しい知識バブル経済崩壊後の長いトンネルにようやくほのかな明かりが見え始め、やっと豊かな生活とは何かを考える時代になってきました。
生活にゆとりができると、健康のことを考えたり、グルメを味わう生活を求めたりするようになります。
そんなとき入れ歯ではよく噛めない、よく味わえない、不便だ、みっともないといった不満が出てきます。
そこで注目を浴びているのが入れ歯とは全く異なり、人工の歯を埋め込んで自然な状態にする「インプラント」です。
インプラントならなんでも良いというわけではありません。
本書では、インプラントについての基礎的な知識から最新情報までを、私が考案した、ほとんど痛みのない画期的な手術法などについてもできるだけ分かりやすくお伝えし、皆さんの不安や疑問にお答えしたいと思います。
インブラント治療を現代人は、頭痛・肩こり・不眠・イライラ・精神的ストレスや疲れやすさなど、多くの不定愁訴を抱えています。
これらの原因の一つとして顎ズレがあります。
歯科医学の発展とともに、いろいろな症状が現れるという事実が最近分かってきました。
これを医学的には顎偏位症と呼びます。
歯を一本失うだけでも、放っておくと、やがてその周りの歯が傾いて低くなります。
そうなると上下の歯が陵み合わなくなるので、その調整をするため下顎が低い側へ移動します。
その結果、首に負担がかかるようになり、頭を支えている頚椎という首の骨(特に第二頚椎)に、ねじれが生じます。
この骨の中には頚骨動脈や脊髄という神経の束が走っており、脳への血液供給や神経で、脳と全身を結ぶ大切な役目を果たしています。
頚椎の脱臼が原因でこれらの重要な血管や神経を圧迫することになると、脳や全身の不調和、ホルモン分泌のバランスを崩すことになります。
専門医であれば、顔形や歯型を採った模型などを用いて、ある程度顎のズレを判断することが出来ます。
実際に九○パーセント以上の日本人に何らかの顎ズレが起こっていると言われています。
オリンピック金メダリストのカールルイス選手や、大リーグで活躍しているイチロー選手が、理想的な歯並びや陵み合わせを持っていることが知られています。
バランスのとれた顎が、あの驚異の記録を達成させたと言っても過言ではないのです。
以上から、歯を失くしそのままにして置くことは、とても危険だとおわかりいただけたでしょうか。
歯がなくなり、顎ズレが発生する前に、出来るだけ早くそこをインプラントや義歯などで補い、極力バランスのとれた咳み合わせを確保することが大切となります。
よくテレビなどで喜劇役者が前歯を黒く塗り視聴者・観客を笑わせていますが、自分がそのようになっては、社会的・精神的に苦痛となります。
審美的な観点からも、今ある自然の歯を健康に維持しようと努力することが得策だと考えます。
健康な時には歯は空気のような存在で、人はその有難さには気付かないものです。
ところが、少しずつ歯を失うにつれ、不自由な食生活を強いられるだけでなく、体の不調を訴えるようになり、やがて病気がちになっていきます。
それでも歯と全身が密接な関係を持っていると考える人はわずかでしょう。
厚生労働省の調査では、歯のある人に比べ歯の無いじてきます。
人は病気になりやすく、特に高齢者ではその医療費は何と歯の健康な人の数倍になっているとのことです。
それではなぜ噛めなくなることが、体の衰弱や病気につながるのでしょうか。
それは、噛めなくなると食べ物が細かくならず唾液の分泌も減少し、消化吸収の効率が悪くなるのと、噛む力が弱くなると脳や全身への血流量が少なくなり、全身の栄養不足を招きます。
すると次第に顎や全身の筋肉も劣化し、骨の石灰分の体外への流出も生骨粗鬆症などになりやすくなります。
そうなると普通の生活動作をするだけでも骨折し、寝たきりの生活を強いられるようになります。
重い病気にかかりやすくなるというわけです。
私たちは、インプラント治療をするなどして、陵み合わせを治し噛めるようにした患者がみるみる健康を取り戻していく姿を幾度となく見てきました。
よく噛めることは幸せなことなのです。
インプラントが必要になる原因は、言うまでもなく歯がなくなることです。
虫歯がひどくなり抜かなくてはならなくなったり、虫歯ではなく、歯は完全なのに歯周病がひどくて抜けてしまったりする場合。
転んだりぶつけたり、交通事故などで歯を折ったり割ったりして、抜かなくてはならない場合などが考えられます。
人によっては生まれつき歯が一、二本無い人もいます。
歯をなくすこととは歯茎所の歯茎も、もう用無しとばかりにうすく低くなって、歯並び全体のバランスを悪くして、噛む力をぐんと弱めることでもあるのです。
噛むことは前に書いたように、全身的にみても大切です。
何とか回復させたい時に、インプラントは今のところ最高の方法といえます。
ここでもう一度自分の歯がいかに大切なものか、歯を失った後、体に及ぼす健康の損失についてわかりやすく述べていきたいと思います。
私たちが目指す歯科医療とは、出来るだけ歯を削ったり加工したりしないこと、病気が進行していれば、今ある歯を残すために全力投球して最新最良の医療を施すことが重要だと考えます。
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